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closer 16

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雨が容赦なく僕を打ちつける。

「傷つけるなんて・・・ちゃんみん。どうしてそんなこと言うの?」

ひょんは、僕に差し出した傘をどうしていいかわからず、困惑した表情を浮かべた。

「ちゃんみんを傷つけようと思ったことはないよ。今までだって・・・これからだって---」
「それが---!」

ひょんが言い終わらないうちに、僕は言葉をさえぎっていた。
・・・落ち着かなきゃ。

ひょんは、僕を見つめたまま、動かない。

「それが・・・僕を傷つけてるってことなんだ・・」

「それ・・・って? それってなに?」

ああ。
そうだよな、ひょんにはわからないよね。
それっていうのは、ひょんの・・・無駄な優しさ。

今度という今度は、ちゃんと向き合わなきゃいけない。
ひょんに、じゃなくて、僕自身に。
ひょんだって最近の僕がずっとおかしいって気がついてる。
ただそれを口に出して言わないだけだ。
ひょんだって・・・もう疲れてるはずだ・・・こんな僕につきあうのを・・。

「それっていうのは・・・ひょんのそういう優しさだよ」

思ったより冷静な低い声でその言葉を放った自分が、意外だった。
もう観念しよう・・・。
もう、なるようにしか・・・ならない。

「僕の優しさが・・・ちゃんみんを傷つけてるの?」
ひょんの表情がちょっとゆがんだ。

「じゃあ・・・ちゃんみんにキツくあたればいいの?」

そうじゃない。
そうじゃないけど・・・。

「・・・・・。ちゃんみんにキツくあたれば・・それで気が済むなら・・そうする」

ひょんの表情はみるみるうちに影をつくった。
視線が地面に落ちて・・・雨に濡れるひょんを見て・・・。
たまらなくなった。

「ひょん・・・」

ひょんは視線を上げられない。
僕はもう一度言った。

「ひょん・・・ひょんは優しい。そういうところが好きだ。でも・・・」

でも・・・優しすぎて、僕はどうしていいのかわからなくなるときがある。
もしかしたら、それを取り違えて・・・しまっているかもしれない。
だから・・・そんな自分が嫌なんだ。

そんなようなことを・・・言った気がする。
確かに動揺はしていたけど、どこかでそんな自分を遠くから見ている自分がいた。

ひょんのその時の表情・・・僕は忘れない。
そしてひょんの言葉も・・・。


「ちゃんみん・・・。僕はちゃんみんに・・・やさしくしたい」


ひょんのその言葉に、僕の心が・・・ずきんと痛んだ。

「ちゃんみんのこと・・・好きだから・・・僕なりに守ってやりたい」

それがちゃんみんに重荷になってるなら・・守るなんて・・・おこがましいかな・・
ぼそっとひょんが言った。

「これからは、僕とちゃんみんでやっていくって決めたから・・・。ちゃんみんにやさしくしたいんだ」

ひょんの顔がきれぎれに僕の目に映った。

「ちゃんみんのこと・・・好きだから」

心が鷲掴みされて、せつなかった。

ああ、どうして・・。
ひょん・・・。
どうして、そんなふうに自分の気持ちを伝えられるの・・・?

僕のことが大切で---
守ってやりたい---
好きだから---って。

いつも直球でくるんだ・・・。

僕の気持ちなんて、てんで・・・おかまいなし・・・。
だから・・・


あなたには・・・勝てない。


だから・・・
あなたを傷つけることすら・・・僕にはできないでいるよ。
そして僕も、傷つくことさえできない。

・・・いや、違う。
僕がひょんを守るんだ、って・・・・そう決めたじゃないか・・・。


ずっと続いてきたトンネルから、抜けた気がした。


ひょん・・・。これからは、ずっと僕たち、一緒だ。そうだよね?


愛しい人
僕の目の前にいる・・・
これが、僕の好きな人。

僕より年上なのに
弟のような人。

僕のすべてで・・・貫き、守りたい人。


「僕が・・・・」

僕が・・・ひょんを守るよ。

この気持ちに、嘘はない。
これがすべての本心でもない。
でも・・・。
今はこうするべきなんだ、と僕は、もう一人の自分の、そんな声を聞いた。

あなたに嘘はないね。
だから・・・。

僕が・・・守る。
約束する。


雨が・・・やみそうだ。

顔を上げると、車道が光に照らされていた。
僕とひょんが、帰る道。

そして、光の向こうに、月が見えた。
僕とひょんを静かに照らす月。


いつでも
どこにいても
僕とひょんを見てる。

今の僕らは、どんなふうに映ってるのかな。



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closer (changmin's side)

closer 16

2012/05/10
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雨が容赦なく僕を打ちつける。

「傷つけるなんて・・・ちゃんみん。どうしてそんなこと言うの?」

ひょんは、僕に差し出した傘をどうしていいかわからず、困惑した表情を浮かべた。

「ちゃんみんを傷つけようと思ったことはないよ。今までだって・・・これからだって---」
「それが---!」

ひょんが言い終わらないうちに、僕は言葉をさえぎっていた。
・・・落ち着かなきゃ。

ひょんは、僕を見つめたまま、動かない。

「それが・・・僕を傷つけてるってことなんだ・・」

「それ・・・って? それってなに?」

ああ。
そうだよな、ひょんにはわからないよね。
それっていうのは、ひょんの・・・無駄な優しさ。

今度という今度は、ちゃんと向き合わなきゃいけない。
ひょんに、じゃなくて、僕自身に。
ひょんだって最近の僕がずっとおかしいって気がついてる。
ただそれを口に出して言わないだけだ。
ひょんだって・・・もう疲れてるはずだ・・・こんな僕につきあうのを・・。

「それっていうのは・・・ひょんのそういう優しさだよ」

思ったより冷静な低い声でその言葉を放った自分が、意外だった。
もう観念しよう・・・。
もう、なるようにしか・・・ならない。

「僕の優しさが・・・ちゃんみんを傷つけてるの?」
ひょんの表情がちょっとゆがんだ。

「じゃあ・・・ちゃんみんにキツくあたればいいの?」

そうじゃない。
そうじゃないけど・・・。

「・・・・・。ちゃんみんにキツくあたれば・・それで気が済むなら・・そうする」

ひょんの表情はみるみるうちに影をつくった。
視線が地面に落ちて・・・雨に濡れるひょんを見て・・・。
たまらなくなった。

「ひょん・・・」

ひょんは視線を上げられない。
僕はもう一度言った。

「ひょん・・・ひょんは優しい。そういうところが好きだ。でも・・・」

でも・・・優しすぎて、僕はどうしていいのかわからなくなるときがある。
もしかしたら、それを取り違えて・・・しまっているかもしれない。
だから・・・そんな自分が嫌なんだ。

そんなようなことを・・・言った気がする。
確かに動揺はしていたけど、どこかでそんな自分を遠くから見ている自分がいた。

ひょんのその時の表情・・・僕は忘れない。
そしてひょんの言葉も・・・。


「ちゃんみん・・・。僕はちゃんみんに・・・やさしくしたい」


ひょんのその言葉に、僕の心が・・・ずきんと痛んだ。

「ちゃんみんのこと・・・好きだから・・・僕なりに守ってやりたい」

それがちゃんみんに重荷になってるなら・・守るなんて・・・おこがましいかな・・
ぼそっとひょんが言った。

「これからは、僕とちゃんみんでやっていくって決めたから・・・。ちゃんみんにやさしくしたいんだ」

ひょんの顔がきれぎれに僕の目に映った。

「ちゃんみんのこと・・・好きだから」

心が鷲掴みされて、せつなかった。

ああ、どうして・・。
ひょん・・・。
どうして、そんなふうに自分の気持ちを伝えられるの・・・?

僕のことが大切で---
守ってやりたい---
好きだから---って。

いつも直球でくるんだ・・・。

僕の気持ちなんて、てんで・・・おかまいなし・・・。
だから・・・


あなたには・・・勝てない。


だから・・・
あなたを傷つけることすら・・・僕にはできないでいるよ。
そして僕も、傷つくことさえできない。

・・・いや、違う。
僕がひょんを守るんだ、って・・・・そう決めたじゃないか・・・。


ずっと続いてきたトンネルから、抜けた気がした。


ひょん・・・。これからは、ずっと僕たち、一緒だ。そうだよね?


愛しい人
僕の目の前にいる・・・
これが、僕の好きな人。

僕より年上なのに
弟のような人。

僕のすべてで・・・貫き、守りたい人。


「僕が・・・・」

僕が・・・ひょんを守るよ。

この気持ちに、嘘はない。
これがすべての本心でもない。
でも・・・。
今はこうするべきなんだ、と僕は、もう一人の自分の、そんな声を聞いた。

あなたに嘘はないね。
だから・・・。

僕が・・・守る。
約束する。


雨が・・・やみそうだ。

顔を上げると、車道が光に照らされていた。
僕とひょんが、帰る道。

そして、光の向こうに、月が見えた。
僕とひょんを静かに照らす月。


いつでも
どこにいても
僕とひょんを見てる。

今の僕らは、どんなふうに映ってるのかな。



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closer 15

2012/05/09
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今日の僕は、かなり機嫌が悪かった。
なぜって満足のいく仕事ができなかったから。
以前よりかは自分に対して優しくなれてきたとは思うけど、やっぱりうまくいかない日はどうしても腐る。
ひょんは今日一人で打ち合わせがあって、途中で別行動になったから、こんなふててる僕のことなんて知らないだろうな。

仕事が終わって、マネージャーさんの運転する車に一人乗り込む。
「あまり気にするなよ」
そうやって僕を慰めてくれるけど、僕の心はすっきりしないでいた。

原因は他にもあるんだ。
今日の仕事の出来具合だけじゃないことぐらい、自分でもわかってるさ。

ひょんとのことだ。
あれから、僕は自分が穏やかな気持ちでいられるだろうと思ってた。
そう、たしか、ひょんが女の人と夜会っていて帰らなかった次の日のこと。
ひょんが様子がおかしい僕を追いかけてきて、結局はその女の人とは何もなかったってことがわかって、単純な僕はほっとした。
そして、どっちみち自分の気持ちを伝えられないことでひょんにキツい態度をとるのなら、甘えたほうがずっといい、って、そういう結論・・・みたいなものに落ち着いた。

もちろんその結論は間違っていない・・と思う。
気持ちを伝えたところで、僕は男だし、ひょんだって男。
優しいひょんのことだから、そんな目で僕を見れなくたって、毎日僕と仕事をしなきゃならない。
僕の顔色を伺いながら、キズものに触れるように扱われるのはまっぴらだ、と思った。
それならばいっそ・・・・
「ちゃんみんのこと、好きだけど・・・。ちゃんみんが思うようには想ってやれない」ってはっきり言ってもらったほうがよっぽどいい。

ひょんのことが好きだから・・・。
そんなこと言わせちゃいけない・・・って自分をセーブしてた。

でも・・・やっぱり無理だ。
ちょっとしたことで、心がざわつく。
状況も変わらない。
ひょんは毎日僕のそばにいる。

そう思ってた矢先に・・・ひょんから「好きな人がいる」って言われて・・・。



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「マネージャーさん、すみませんが、車を止めてもらってもいいですか?」

一人で考えたいことがある、と告げると、マネージャーさんは一瞬困惑した表情をした。
そういえば、以前にもこんなことあったな。
あの時はひょんがいて、「僕が一緒にいますから」って言ってくれて、車を降りた。
そして・・・・空を見上げながら歩いていると・・・ひょんが僕の手を握ってくれた。

ああ・・こんな時になんでひょんのことばかり思い出すんだろう・・・。
やり切れなくなった・・・。

「わかった。気をつけて帰れよ」
マネージャーさんは僕の気持ちを汲んでくれて、車を歩道に寄せてくれた。
自宅まで結構距離があるな。
降りてから気がついた。
30分はかかるかな・・・そんな風に想いながらいろんなことを考えた。

自分のこと。
ひょんのこと。
これからのこと。

自分の気持ちを押し付けるわけにはいかない。
ましてやひょんには好きな人がいる。

もし、ひょんがその人とうまくいったら・・・僕は祝福できるかな。
ひょんが彼女と会っていても僕は何も言えない。
ひょんがうきうきしてたら「彼女とうまくいってるの?」って話をきいてあげなきゃいけないよね。

僕の気持ちはズタズタだ・・・。

どうやってこの気持ちの落とし所をみつけたらいいの・・・?
わかんないよ・・・。

僕の気持ちに・・・気がついてほしい。
そして・・・願わくば・・・想いが通じなくても・・・ひょんには気がつかないふりをしてほしいんだ。
そうすれば何もなかったようにこれからも仕事できるよね・・・。

いくら考えても堂々巡りで、ため息しかでてこない。
そして、どこまでも自分勝手な自分が情けなかった。


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自分のおでこになにか冷たいものが当たった・・・雨だ。
小雨ならなんとかやりすごして帰ればいい・・・と思ったけど、かなり降ってきた。
人もまばらな夜道の向こうから、カップルが歩いてくる。
一つの傘に入って、肩をくっつけあって・・・。
シアワセそうな顔してた。

こんな時、雨はいいよな。
2人をもっと近づけてくれる。
それなのに・・・。
一人きりで雨に濡れて、何やってんだ、自分。

雨はますますひどくなる。
傘もささずに歩く僕を、通りすがりの人は不審そうな目つきで見てく。
前髪から雨が滴り落ちる。
服が雨を含んでじっとりと重い。

自分の心みたいだ・・・。
ああ、この雨に打たれて、自分のすべてが全部流されてしまえばいい。

うちに着くまであと10分ぐらいかな・・・。
もうすっかりびしょ濡れだ。

人通りはすっかりなくなった。
歩いてるのは・・・この僕だけ・・

いや、向かい側の歩道を向こうから走ってくる人がいた。
傘をさして、かなり急いでいるようだった。
雨でよく見えなかったけど・・・・


・・・・・!!


・・・・ひょんだ。


僕はびっくりした。
思わず、こちらの歩道から叫んだ。

ひょんは一瞬立ち止まって、どこから自分を呼んでる声が聞こえるのかわからない風だった。

「あっ!ちゃんみな!」

ひょんは僕を見つけて、道を渡ってこっちに走ってきた。

「ひょん、どうして・・・?」

「マネージャーさんに電話したら、一人で車を降りて帰ったっていうから。雨も降ってきて心配になって。だから・・」

ひょんは傘をさしてたのに半分ずぶ濡れだ。

「行き違いになるかもしれないのに・・・」

「でも・・・ちゃんみなが通る道は・・わかってたつもりだったから・・」

雨はやむ様子がない。

「それにしても、ちゃんみん、びっしょりだよ」

「ん・・・・だね。」

「あははは、またそんなこと言って。さ、風邪ひくから早く帰ろ?」

ああ・・・。
あなたは・・・やっぱり、なんで僕がこんなになってるのか、聞かないんだね。
マネージャーさんに、今日の仕事がうまくいかなくて落ち込んでることぐらい、聞いてるだろ?
それなのに、何も言わずに・・・。
こんなに濡れて・・・。

この優しさが・・・どんなに僕を傷つけてるか知ってるの、ひょん?
傘をさしだしてくれたのに、僕は受け取らなかった。

「ちゃんみん?さあ、帰ろ?」

「・・・・なんで・・・」

「ん?」

「・・・なんでひょんは・・・ほっといてくれないの・・・?」

雨にずぶ濡れになりながら、僕は口走っていた。

「・・・・なんで・・・こんなに僕を傷つけるの・・・・?」

雨の滴を髪から垂らしながら、僕はその場に立ちつくした。



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closer 14

2012/05/09
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その日は前触れもなく来た。

「ちゃんみな・・・? 」

宿舎で夜、2人でリラックスしてテレビを見ていた時。

「なに?ひょん?」
それとなく返事をした僕。

ひょんは何か言いたそうに、でもそれがうまく言葉にできない、
そんな様子だった。

「なに?」
もう一度、せかすように聞いた。

「・・・・・ちゃんみんは・・・好きな人・・・いるの?」

びっくりした。

「いきなり、なに?」

「いや・・・。なんとなく・・。聞いてみただけ。」

ひょんの様子がおかしかった。
何か、あったのかな。

僕に好きな人がいるかって?
いる・・・と答えたら、ひょんはきっと聞くだろうな。

「いますよ」

言ってしまった。

「・・・・。どんな人?」

やっぱりな。聞くだろうと思った。
それはね、ひょんのことだよ・・なんて言えないだろ。

「もしかして・・僕の・・・知ってる人?」

これ以上言ったら、嘘に嘘を上塗りしつづけなきゃいけなくなる。
やめよう。

「冗談。いないよ・・・今は。」

「そ・・・っか・・。」

なんだよ、ひょん。
質問の意図がわからないよ。

じゃあ・・・。

「ひょん・・・は?好きな人・・いるの?」

どきどきした。
何聞いてんだ、僕は。

でも・・・もし「いる」って言われたら
正直凹むな。


そして、やっぱり・・・後悔した。
聞くんじゃ・・・なかった。
予期していたようで、心の準備なんて・・やっぱりできてなかった。


ひょんには、今、好きな人がいる。


ちょっとショックで次の言葉を拾えない。


でも、ここでこんな顔を見せたらおかしいだろ。
あくまでも冷静さを取り繕うのが精いっぱいだったけど、
ここまで聞いたらあとに戻れない。

「・・・僕の・・知ってる人?」

ひょんはそれには答えず、ため息だけついた。
ソファで、体育座りしてため息つく、ひょん。。

なんだよ・・・それ。
恋煩い・・してるのかよ。

「どうかな・・・よく・・わからない」

何、それ?

「どんな人?」

聞きたくないのに聞いていた。

怖いもの見たさ・・・。
傷つきたくないのに、どこかでそれを望んでる。
傷ついて、人知れずひょんを諦められたら・・それも・・・いいかもしれない。

「・・・・・素敵な人だよ。」

素敵な人・・・。
そうだよね、ひょんが好きになる人なら・・・。
素敵な人なんだろうな。

優しくって、
きれいで、
笑顔がかわいくって、
ひょんを心から愛してて、
ひょんと一緒に笑い、
ひょんを慰め、
ひょんと一緒に歩いていける人。。

ひょんが愛する人

ひょんといろんなものを分かちあえる人

心も・・・。
体も・・・・。

ひょんの心は・・・その人にむかっているんだね・・・。

ひょん・・。
今の僕が、一つだけわかってることがあるとしたら・・・。
それは僕にはなりえないってこと・・だよね。

永遠に・・・かなわない・・・僕の・・願い。



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closer 13

2012/05/08
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ひょんが風邪をひいた。

朝、なかなか部屋からでてこないひょんを起こしにいって
それに気がついた。

「ひょん、どうかしたの?ドア、開けるよ?」

そっと開けると、ベッドに寝てるひょんがいた。

明らかに何かおかしい。
僕はベッドのへりに座ってひょんの顔を覗き込んだ。

熱があるのはすぐにわかった。
僕もこの間、同じ状態になったから。

すぐにキッチンに行き、水と濡らしたタオルを持って部屋に戻った。

「ひょん、まずはシャツをかえたほうがいい」

汗びっしょりになってるシャツを脱がして、新しいものに着がえさせた。
そして水をのませて、タオルを下にひいて。

医者を呼んで見てもらったら、ただの風邪だというけれど。
苦しそうなひょんを見ていて、僕は気が気じゃなかった。

その日はもともとオフだったからよかったものの、
もし海外での仕事があったら注射を打って、解熱剤を飲んでステージに上がるぐらいだから。

オフの日でよかった。
僕はひょんを休ませてあげたかった。

2・3時間おきぐらいにひょんの部屋に行って様子を見る。

ひょんは薬を飲んで、すやすや寝ていた。

僕は前にひょんがしてくれたように、濡れたタオルを変えながら
寝ているひょんの顔を眺めた。


おでこ
まゆげ
つぶった目から、きれいにまつ毛が生えていて
すぅっと通った鼻筋を下りていくと、きゅっと結ばれた弾力のある唇に到達する

ずっとずっと見てきた、ひょんの顔。
でも、もしかしたら、こんなにまじまじと見るのは、これが初めてかもしれない。

指でそっと触れるか触れないかぐらいに、ひょんの顔をなぞってみた。
熱を出して寝てる人間に、こんなことしたら不謹慎・・・かな。
唇をなぞってみた。
男の唇なんて、やっぱり真面目にみたことないけど、
ひょんのそれは大きくもなく、かといって小さくもなく、ただただきれいだった。

この唇に触れられた人は一体どれぐらいいるんだろうな。

ひょんのもの。
ちょっとだけ、キスしたい気持ちにかられた。
顔を近づけて、そこでとめた。
ひょんはやっぱり寝ている。
寝息を聞くと、起きることはないだろうし、僕がキスをしたって気がつくはずはない。

でも・・・。
やめた。

なんだか卑怯なヤツみたいで。
もし、僕が自分の気持ちを打ち明けて、ひょんの意志で僕にキスしてくれたら。
そんなこと、かなわないかもしれないけど、
もしそうなったら・・・。

その時までとっておこう。

勝手に僕はそう決めて、ひょんの頭を撫でて、部屋を出た。


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夜になってまたひょんの部屋に行くと、ひょんは目を覚まして天井を見ていた。

「あ、ひょん。目が覚めたんだね」

ひょんは僕を見て、力なくちょっと笑った。

もってきた水を飲ませて、ひょんはちょっと落ち着いたようだった。

「かぜ・・・ひいちゃった」

ぽつんとひょんが言った。

「知ってるよ、ひょん」

「・・・あしたには治さなきゃ」

「そうだね。あしたはまた仕事だ」

ひょんは僕を見てほほ笑んだ。

僕たちは、いろいろ言葉をかわさなくても、
わかることがたくさんある。
僕はそう思った。

いつもいつもひょんに甘えてばかりいる僕。
こんな時ぐらいは・・・ひょんに甘えてほしい。

「そうだ、ひょん。
ひょんがよくなったら、ひとつだけひょんがしたいことを聞いてあげる」

ひょんの顔がぱっと明るくなった。
そんな顔が・・・かわいい。

「ん~。ひとつだけか。どうしようかな」

つぶらな目をくるくるさせて、考えてるようだった。

「決まった?」

「あのね、前からちゃんみんの部屋でゲームがしたかったんだよ」

え?

「ひょん、前からしてるじゃない?」

「そうだけど・・・。今度オフがもらえたら、一日ちゃんみんの部屋にいてゲームしたい」

そんなことでいいのか。
お安い御用だよ、ひょん。
僕より年上なはずなのに、なんだか今日のひょんは僕の弟みたいだ。

「わかった。じゃあ、今度のオフにね」

僕はひょんと約束をして、部屋を出た。

明日はきっとひょんはよくなってるだろう。
そしたらまた一緒に仕事だ。


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PS ちゃんみん、ゆのひょんがあなたの部屋で一日ゲームしたいんだって・・。ゆのひょん、お子ちゃまだね。でも、男って案外みんなそうね。ちゃんみんにもっと甘えちゃえばいいのにね。

closer 12

2012/05/07
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最近つくづく思うことがある。

ひょんとこうして2人になったのは、運命なんだって。

もし、ひょんじゃなくて他の人だったら・・・?と想像してみるけど
やっぱりそんなことはあり得ないんだ。

仕事をしていてもそう。
一緒に住んでいてもそう。

ひょんだからやってこれたんだろうな、と思う僕がいる。

以前こんな映画をみた。
相手を好きで好きでたまらないのに、どうしても諦めるしかない、という主人公が、相手の嫌いなところを100個まず紙に書いてみたら?と友達に言われてやってみる。

嫌いなところはたくさんあがるのに、結局は嫌いになれない・・・っていう話だったと思う。

嫌いなところが100個もみつかるのなら、その前に嫌いになってるよな、って僕は思ったけど。

今なら、ちょっとだけその主人公の気持ちがわかる。

嫌いなところじゃなくって、
自分が理解できないところ、ってことなのかもしれない。

でも・・理解に苦しむからこそ、相手をもっと知りたいと思うし、
そんな相手を受け入れたいって思う自分がいる。


そう思ってみたら
ひょんの理解不可能なところってたくさんあるな。
僕は紙とペンを用意して、ソファにどかっと腰かけた。

ええ・・と。
まず・・・

・整理整頓ができない
・共有してるペットボトルの水を、コップにつがずにそのまま飲む
・ペットボトルのふたを閉めずにそこらへんに放置しておく

もう3つも挙がった。
それ・・と・・。

・靴を履いたまま忘れ物をとりに部屋にあがる
・僕のパンツを間違えてはく
・歯磨き粉を真ん中からしぼる
・物をすぐ失くす
・お酒が飲めない

ここまで挙げて、ペンが止まった。
こんなこと書いても、とるにたらないことばっかりだ。

そう思ったら馬鹿らしくなった。
僕はペンをテーブルの上に投げて、キッチンに行った。

ピンポーン

あ、ひょんが帰ってきた。

「ちゃんみな~!戻ったよ~!」

ひょんは買ってきたものを僕に手渡して
冷蔵庫に手を伸ばした。

「あぁ、のどが渇いた」

ペットボトルのふたをあけて、
口をつけようとする。

「・・・っと。コップ、コップ」

ひょんはキッチンカウンターに置かれたコップを探して
それに注いだ。

僕は黙ってそれを見ていて、もう少しで笑いそうになった。
必死で笑いをこらえたんだ。

でも、出したペットボトルはふたも閉めずにそのまま放置してあった。

僕は笑って、ふたを閉めてペットボトルを冷蔵庫に閉まった。


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「ちゃんみん!・・・なにこれ?」

リビングからひょんの声がする。

「これ?なに?」

リビングに行くと、さっき僕が書いていた紙を手にしてるひょんがいた。


「ねえ、ちゃんみん。これなんなの?」

「え? どれ?」

僕は、にやけながらもしらばっくれて、ひょんの手からその紙を取り上げた。

「それ、ちゃんみんの字でしょ?」

「みたいだね。」

ひょんは僕の顔をみながらソファにあったクッションをぎゅうぎゅうに抱いて、体育座りをしていた。

「それ、ちゃんみんが書いたんでしょ?」

ひょんの拗ねた顔がかわいくて仕方ない。

「ちゃんみん!悪い子だ!お仕置きするぞ!」

ひょんが僕をつかまえようとクッションを投げて向かってきた。
僕は笑いながらそれに応戦した。


こういうくだらない時間が楽しい。


ひょんとずっとこうしていられたらいいのにな。



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このあと・・・ゆのひょんのお仕置きってなんだったんだろう・・・?(笑)