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ぼくのうちに居候がやってきた40




雪の降る夜道を、泣きながら帰る。


マリア様に抱かれたユノが、僕の手を離れて、行ってしまう。
行かないで・・行かないで!


こんな不吉で縁起の悪い幻想なんて、どこかに行ってしまえ!


涙が、とまらない。
・・・・こんな顔、ユノには見せられない。
ユノだって、僕の様子がおかしいことはとっくに気がついてる。
そうだよね・・・?


それとも・・・。
泣き顔を見せたほうが、いっそ気が楽になるのかな。



ぼんやりとアパートが見えてきた。
僕の部屋・・・灯がついてる。


ユノ・・・僕を待っていてくれてる。
いつものように・・。


力なく外階段をあがって、玄関まで到着する間に僕は涙を拭って。
自分でほっぺたをぱんぱんっ、と叩く。


「ただいま」


うつむきがちに、僕はドアを開ける。



なんの返答もない・・・。


部屋は明るいのに、ユノはでてこない。
いつもなら、「あ、チャンミンさん、おかえりなさい!」って飛び出してくるのに。


嫌な予感がして、僕は急いで靴をぬいで6畳の部屋に行く。







あ・・・。








ユノは、僕に背を向けて、炬燵にはいっていた。









「・・・・ユノ・・・さ・・ん?」








身動きしないユノの背中を見つめて、そっと声をかける。







僕の声に気がついたのか、びくっと反応して。
ユノがゆっくりこちらを振り向いた。






「あ・・・チャンミンさん・・・。帰っていらっしゃったの・・気がつかなくて・・・すみません」






ユノは僕の顔を見て。



無理やり、笑っているような、変な笑顔を見せた。




「・・・どうしたの?ユノさん・・・何かあった・・・?」




様子がおかしい。




「・・・いえ・・」




ユノがうつむく。




「チャンミンさん、夕ごはん・・・今から・・作ります」




炬燵から立ち上がって、ユノが台所に行こうとする。
もうこんな時間なのに、夕ごはんも作らずユノは何をしてたんだろう・・・。

明らかに何かあったに違いない。


「ユノさん・・?何か・・・あったでしょ・・・?どうしたの?」


ユノは、首を何度も横に振る。

今すぐ、夕ごはん作ります。

ユノさん、夕ごはんはいい。ちょっと――――!

僕の問いかけを無視して台所に行こうとするから、僕は思わずユノの腕を掴んだ。



「ユノさん・・・。ちょっと座って?どうしたの?」


僕は着替えもせずコートを着たまま、ユノを炬燵に座らせて、自分も座る。



ユノは何かを思いつめた顔をして。
こんなユノ・・・初めて見た。



「言ってみて・・?」



冷静を保とうとするけど、僕だって・・・怖い。
ユノが、何を言うのか・・・。
冷静に聞けるのかも、わからない。


でも、こうするしか、僕には術がない。



ユノはうつむいて、ただ、黙っている。
その、色味を失った頬に・・・・一粒の涙がぽろっと溢れた。



「ユノ・・さん・・?」



僕は動揺した。
ユノが、泣いている。
声を出さずに、うつむいたまま。



「何か・・・あったんだね・・。悲しいこと・・だね・・?だから・・泣いてるんだね、ユノさん・・」



聞きたくない。
たぶん、僕が聞きたくないことだ。

なのに、それを聞かなきゃならないなんて・・・。

僕は深呼吸をして。

言ってごらん・・・。ユノさん、僕、何でも聞くから。





「おむかえ・・・もうすぐ来ます」





ユノが、そう呟いた。





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