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ぼくのうちに居候がやってきた45




ユノをこの腕で抱きしめながら。


ユノさん・・・ユノさんはどこに行っちゃうの?
聞いてみる。


・・・・ここからすごく遠いところです。


ぽつんとユノが答えた。



・・遠いところ?


はい。


・・どこなの?・・・僕、どうしてもユノさんに会いたくなったら、会いに行けるかな・・?


ユノは黙っている。
そして、布団の中からもぞもぞ這い出して、窓際に行ってカーテンをちょっと開けた。


チャンミンさん・・ここから・・・あのお星さまが見えますか?

・・・お星さま?

はい。あそこに・・・一個だけ大きくぴかぴか光っているお星さまです。


僕も、布団から出て、窓際のユノのところに行って窓の外を見上げる。


ユノの指差す先に、確かに大きくて光る星があった。


うん。見える。あの星だね。

はい。・・・僕、あそこに行くんです。

え?あのお星さまのところ?

はい・・・僕、お星さまになります。


僕は言葉がでなくて、ユノを見つめた。


ユノさんは・・・お星さまになっちゃうの・・?

はい。いつでもチャンミンさんを見てます。チャンミンさん、元気かなあって、いつも見守ってます。

じゃあ、僕がユノさんがいなくなって寂しくって泣いても、ユノさんはずっとあのお星さまから見てるの・・?

・・・そうです。だからチャンミンさん、泣いたらダメです。僕はいつもいます。

じゃあ・・・星が見えない時はどうしたらいいの?

夜はお星さまが見えなくても、お空にいます。それに、僕・・・ちゃんみんさんのそばにいつもいれるように、
風にもなれるし、道に咲くお花にもなれます。だから、いつも一緒です。

いつも一緒にいれるなら、星とか風とか花じゃなくて、こうしてここにいてよ。



ああ、わがまま言ってしまった。
いけない、ユノを困らせるだけなのに。
ユノは泣きそうな顔をしながら、笑ってみせた。



ユノさん、僕ね。この間、雪が降ったとき・・ユノさんがマリア様に抱かれて空へ連れて行かれてしまう想像をしたよ。

マリア様?

そう。とっても穏やかな顔をしているマリア様。僕、行かないで!って叫んじゃった。

・・・・お迎えは、マリア様のようなやさしいシスターが来てくださいます。

・・シスター?

はい。ずっとずっと僕のことをお母さんのように愛してくださる方です。

・・じゃあ・・・ユノさんは・・・シスターと一緒にお空に帰るんだね。

・・・はい。

・・・ユノさん・・・もし・・・もし・・・ユノさんが僕に会いたいって思ってくれたら、このアパートに帰ってこれるように、鍵、持って行って。こんなおんぼろアパートだけど・・・ユノさんが、帰りたい場所だって思ってくれたら・・・。いつでも僕、待ってるからね。

チャンミンさん・・・ありがとう・・。チャンミンさんはいつも僕に優しくしてくれましたね。ごはんを作ってくださったり、お布団を貸してくださったり。僕のおしゃべりにもいつも付き合ってくださいましたね。
僕、幸せでした。今も、幸せです。チャンミンさんが、僕のことを、かぞく、って言ってくださったことも忘れません。僕を愛してくださって・・ありがとう、チャンミンさん。


たまらなくなって、僕は嗚咽してしまった。


愛してる

愛してる。


ただ、それだけを伝えたかったんだ。
何度も、何度も、伝えたくて。

もう、伝えられる時間が残っていないかもしれない。
そう思って、繰り返し、ユノに伝えた。


ユノは笑って、


はい、わかっています、チャンミンさん。
僕も、チャンミンさんを、愛しています。


窓際から、ユノが指差した星がきらきら光って。
もうじき、その星になるであろうユノを、もう一度抱きしめた。





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