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エピローグ




ユノに、僕のありのままの気持ちを告白した、昼下がり。
ひだまりの中、ユノとふたり。




こうなることは、どこかで自然な成り行きだと感じてたんだ。



ユノと一緒に入れるのは最後かもしれない、と思った、あの夜。



部屋の電気を消しても、なかなか眠れなくて。
同じ布団に入りながら、ユノは僕の胸に顔をうずめて。



・・・チャンミンさんの、心臓の音が聞こえます。



そう言って、ユノは眠りについた。
次の日、ユノは僕のもとからいなくなってしまうかもしれないと思うと。
ユノが愛おしくて、いっそのこと、全部自分のものにしてしまいたかった。



このまま、すべてが止まってしまえばいい。
朝が来るのが、怖かった。



次の朝、目覚めると、ユノは天使のような顔をして、
僕の胸の中にいた。


そして、何の迷いもない顔をして。


ずっと一緒にチャンミンさんといさせてください。


一言だけ言って、台所で朝ごはんを作り始めたんだ。


それが、当然であるかのように。

それが、自分の運命だとでもわかっていたかのように。


その日、シスターは姿を見せずに、それっきりになった。


あとからになって、ああ、ユノは喫茶店でシスターと話をした時点で
もう心を決めていたのだと、そう思った。


ユノはあれから、そのことについては何も言わないし、
僕も何も聞かない。


ユノが迷わず、僕を選んでくれたのだと、わかったから。
もう二度と、ユノが心細い思いをすることがないように。



僕は、ユノのそばにずっといる、って心に決めた。



「僕だけの・・・僕だけのユノさんでいてほしい。・・・誰にも渡したくない。
・・・そういう「好き」ってことだよ」


うまく伝わったかな・・?と呟くようにユノに問いかける。


ユノは、にこっと幸せそうに微笑んだ。


「ユノさんの全部を、ずっとずっと守りたい。ずっと一緒にいたい。・・・僕の、一番そばにいてほしい」


「はい、僕、チャンミンさんとずっとずっと一緒にいます」


心も、体も、ずっと一番そばにいて、ユノさん。


そう言って、ユノの目を見つめて。


ゆっくり、顔を近づけた。


ユノが、びっくりしないように。
そして、僕と同じ気持ちでいてくれることを、望みながら。



好きだ。キス・・・したい。



もっと顔を近づけて、ユノに呟く。
僕はもう、ユノの唇しか見えなくて。


引き寄せたユノの体は、緊張して力が入ってるように感じた。


最初は、ユノの唇の表面を触れるだけで、顔を一旦離して。
ユノの反応をそっと見た。


ユノは、ぎゅっと目をつぶって、
唇を「う~」っと、突き出してて。


まるで、子供がする「ちゅー」みたい。


思わず、ぶっ、と吹き出した。


「僕、なにかおかしいですか?」


なにかおかしいですか?って・・・いや、おかしくはないけど。
なんで僕が吹き出したのか、ユノは全然わかってないみたい。


いや・・ユノさん、かわいい顔してるなって思ったんだ。
だから幸せすぎて、吹き出しちゃった。


「ひどいです!チャンミンさん。僕、一生懸命キスしてるのに・・・。」


そう言ってふくれっ面をする。


あぁ、もっとキスしたくなってきた。ユノさん、もう一度、するよ・・・。


・・・はい・・どうぞ。


その返事もおかしくて、また吹き出しそうになったけど。
なんとかこらえて、またユノとキスをした。


今度は、もうちょっと、長い間。


唇を離して、でも、もっとキスしてたくて、また抱き寄せて、キスして。


長い、長いキスをした。


顔を離すと。

ユノが、「ぷはぁぁぁっ」と息を吸い込む。
まるで水中で息をとめてたみたいに。


鼻の穴を膨らませて、口からもたくさん息を吸い込んでるから。


その顔がおかしくて、愛おしくて、
また吹き出しちゃった。


ユノも僕につられて、笑い出す。
この間のお好み焼き屋さんで、ユノが人目もはばからずデカイ声出したあと、お互い笑いが止まらなくなったように。


また、二人で、ひだまりの中で、抱き合いながら笑った。







・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




そのあと、僕とユノさんがどうなったのかは、
ここではあえて言わないけど。



僕とユノは、あいかわらず、ずっとずっとあのおんぼろアパートに住んでいる。

いつか、ユノが家を建てたら、その時はこのおんぼろアパートともさよならすることになるだろう。

それまでは、狭くて古いけど、今の僕とユノにはちょうどいい。
そして、結構このアパートが、気に入っている。



いつでも手を伸ばせば、お互いがそこにいて。

愛がつまってる場所だから。



ユノはあいかわらず、コンビニで一生懸命働いていて、
貯金をがっちりしている。

僕も、残業があいかわらず半端なくあって、
お金を使う暇もないからちょうどいい。


ユノの友達のソックスも、相変わらず元気だ。



そう、僕とユノは幸せで。
いつも笑いが絶えなくて。



もし、コンビニで品出しとか、レジ打ちを一生懸命してるユノをみかけたら
声をかけてやってほしい。

きっと「にこぉ」っと笑い返してくれるから。


そして、下町のおんぼろアパートの前を通ることがあったら、
二階を見上げてみて。


もしかしたら。
ユノの、あの赤いダックスフンドのついたトレーナーが、
僕の洗濯物と一緒に、風に揺られてるかもしれないから。






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