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stay gold 27




帰り道に、コンビニに寄っていいですか?って聞いてみる。
僕がいつもユノさんのアパートに押しかけては、結局ユノさんにご飯作ってもらってるから。
なんだか悪くって・・・。
今日は何か買っていきます、って言う。


そんな、チャンミンいいよ。無駄遣いすんな。俺が作ってやるよ。


繋いだ手をひっぱられる。


でも・・・いつもユノさんに甘えてばかりで・・・。


いいよ。甘えられるうちは甘えとけ。さ、行こ。


僕の手をぎゅっと握ったまま、ユノさんは歩いていくから
僕はひっぱられてちょっとよろけて、ユノさんの腕に思わず捕まっちゃった。


ユノさんのアパートがもうすぐ見える。
このまま・・・ユノさんの腕にしがみついて・・・行っちゃお。


アパートに行くと。
ユノさんの部屋は、結構散らかってた。


「これまでに撮った写真見てて、そのあと本屋に行ったからそのまんまだった」


そう言ってユノさんは片付けようとするから、
・・・ユノさんのこれまで撮った写真・・・見たいです、ってお願いしてみる。


ん?そう?んじゃ、いいよ。


ユノさんにご飯作ってもらってる間、散らかった写真を一つひとつ見ていく。
景色とか、花とか、そういう写真が目に付いた。


ユノさんって、人を撮ることが多いのかなって思ってたけど。
以前は違ったのかな。


一つだけ、アルバムが置いてあった。
なんだろう・・・アンティーク風のきれいなアルバム。


そっと、開いてみる。


モノクロの写真。


そこには。


女の人が・・・写っていた。
次の写真も・・・その次の写真も。
ページをめくっても・・・。


全部、同じ女の人。


めくってもめくっても。
この人・・・誰なの?
ユノさんの・・大切な人・・・?


なんだかすごく落ち込んできて、最後には涙が出そうになった。


だって・・・そこに写っている女の人、すごく綺麗で。
きっとユノさんは、ファインダーを覗きながらこの人を優しく見つめてたんだ。


「チャンミンご飯できたよ。食べよっか」


僕は・・・もう、ユノさんの声に何も言えなくなって。

黙りこくってたら。

ユノさんが、僕が何か様子が変だって気がついたみたいだった。


「・・・チャンミン?」


いけない、って思ったけど・・・その女の人の写真の上に、ぽたぽたっと涙が落ちた。


「チャンミン?・・・どうした?」


ユノさんが駆け寄ってきて。
僕が見てるアルバムが目に入って、小さな声で「あっ」と声をあげた。


それ・・・。
ユノさんが、言いかける。

僕は、そのあとの言葉を聞きたいのか聞きたくないのか、もうわからない。


それ・・・俺が前にね、好きだった人なんだ・・・。


・・・きれいな人。
僕はぼそっと呟く。
妬けるけど、認めざるを得ないよ。


・・・そうだろ?・・すごく優しくて、すぐに恋に落ちた。


ユノさんの・・・彼女、だった人?


彼女になって欲しかったけど・・・結婚しちゃった。他の男と。俺、まだ高校生だったからさ。


結婚・・?ユノさんよりずっと年上だったんですか?


俺より5歳・・だったかな。年上だった。お互いに好きだったけど・・・俺、金もなかったし・・。まあ、今もそうだけど。好きな気持ちだけだったんだ。それだけで充分だ、って思ったけど・・そうはいかなかった。


・・・まだ・・・この女の人のこと・・忘れられないんですか?


聞いたあとに、なんてこと言ってるんだって僕は後悔した。
たとえユノさんのこと好きだからといって、ユノさんの心の中に土足で入ってしまった気がしたから。


・・・どうかな。いい思い出でもあるし、つらい思い出でもあるし。


・・・ごめんなさい、黙って見てしまって・・・。


いや、いいよ。チャンミンが悪いわけじゃないから。ちょっとカッコ悪い俺、見られちゃったね。


そう言って、ユノさんは僕の髪の毛をくしゃっとする。


泣くなよチャンミン。俺のためにチャンミン、泣いてくれたの?


そう言ってユノさんは、優しく僕に微笑みかける。


・・・好きっていう気持ちだけじゃ、ダメなのかな。
ユノさんのこの女の人への情熱と同じで。
僕も、ただの高校生。
好き、って気持ち以外、僕には何もない。


ダメなのかな。それだけじゃ。


そんな現実を、突きつけられたような気がした。





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